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上下両院議員選挙も同時に実施

米国は上下両院とも大きな権限を持つため、大統領選に加え両院を新大統領と同じ政党が占めるかどうかも大きなポイントになります。

ハリス氏台頭の背景

7月13日の銃撃事件直後、今年の大統領選挙はトランプ勝利で終わると誰もが感じていましたが、バイデン大統領は7月14日以降も選挙戦からの撤退を固辞していました。しかしながら、 7月21日、3度目のコロナに感染したこと等をきっかけに、大統領選からの撤退と副大統領のハリス氏支持を表明しました。

トランプ氏 対 バイデン氏の図式があまりにも長く続いた反動なのか、これまで選挙に熱意がなかった若者とマイノリティ層に”やる気スイッチ”が入り、ハリス氏の支持率が急速に上昇して行きます。

また、共和党の副大統領候補に指名されたバンス氏が過去の失言問題で袋叩き状態になったことも追い風となりました。そして8月2日にはハリス氏が大統領選候補者の指名獲得に必要な代議員数を確保したことも発表されています。

ヘッジファンドはどう見ているか

  • トランプ氏と副大統領候補のバンス上院議員は、各々ビリオネアとベンチャーキャピタリスト。その2人が揃ってウォール街を非難し支持率拡大を狙うのは皮肉だが、トランプ氏が政策として掲げる規制緩和と法人減税に関心を持つ億万長者の投資家が、共和党の背後に何人も控えている。
  • その筆頭が著名ヘッジファンド・Citadel創業者のケン・グリフィン氏で、今まで予備選から共和党候補を支援して7,400万ドルを献金しており、2015年からの累計では2.5億ドルに上る。
  • ここにトランプ氏 vs ハリス氏で拮抗する大統領選の終盤に向けたキーポイントが潜む。
  • すなわち、政党の支持が拮抗する激戦州であるスウィングステートでのキャンペーンなど、選挙の結果を左右する活動資金を支える富裕層や金満投資家の興味と利害は”小さな政府”に尽きるということだ。

究極の移民社会がゆえの問題 ー 人種差別などの社会問題、宗教観・倫理面での議論や対立 ― これらは重要な政治の議題なのですが、やはり「背に腹は代えられぬ」で、「経済=カネ」はそれらと同等か、それ以上に重要な現実的な問題なのです。

よって、資金面で影響力がある富裕層を筆頭に、多くの米国市民にとってもですが、経済政策の中でも特に税制スタンスこそが今回の大統領選でのキーポイントとなりそうです。

トランプ氏は自身の以前の任期の時に実現したいわゆる「トランプ減税」、恒久減税の継続を訴えている一方、ハリス氏は元来大きな政府を志向している民主党の中でも左派寄りとされており、富裕層への減税よりも中低所得者層への分配に重きを置くと思われます。

また、7月から8月初旬にかけての株式市場の下落は、経済指標悪化による景気後退懸念などに加え、ハリス新大統領誕生による課税強化を米国の富裕層が懸念した側面もあったのかもしれません。

解説動画

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